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あなたの相続人、その人で間違いないですか?

私の財産って、死んだら誰に移るの?

誰に移る?

素朴な疑問ですが、とても重要な疑問です。
遺言をしなければ法律で決められた相続人に財産が移転する事になるのは、「法律なんて難しくてわからない」という方でもご存知のことでしょう。

では、その「法律で決められた相続人」つまり「法定相続人」を正確に理解されている方はどの位いらっしゃるでしょうか?
実は、法定相続人を誤って判断してしまうことはとても重要な問題に発展してしまうことにつながってしまうのです。

こんな方がいらっしゃいました。
大手商社で要職に就くA子さんは現在45歳。1年の半分以上を海外中心に過ごすキャリアウーマンです。母親を幼い頃に亡くされたA子さんには兄弟がなく、父親はA子さん一筋に英才教育を施され、そんな父親の期待にA子さんも見事に応えて難関の国立大学に合格。海外留学で外国語にも長けて卒業後は現在お勤めの某有名大手商社に就職。その後も成績優秀でキャリアを積まれ若くして要職に就かれました。仕事第一で未だ独身であるものの、当然ながら相応の財産も築かれました。

そんなA子さんですが、先日唯一の肉親である父親が亡くなり父親の全財産を相続されました。実家の家屋敷には父親の妹つまりA子さんにとっては叔母が住んでいました。母親の死後A子さんはこの叔母がいわば母親代わりであり、そんな役割を叔母も承知していたのか自身一度も結婚することはありませんでした。そんな叔母が住む実家の名義も相続によって、とりあえずはA子さんの名義になりました。

さて、ここで問題!
A子さんにもしものことがあった場合、A子さんの財産は誰に相続される?

答えは、「母親代わりの叔母さん」。と気持ち的には言いたいところですが違います。
叔母に相続権はありません。
正しい答えは「誰も相続しない」です。
つまりA子さんに法定相続人が存在しないのです。
(なお、A子さんの祖父母はすでに死亡しています)

相続人がなく行き場を失ったA子さんの財産は最終的には国庫へ帰属、つまり「お国のもの」になってしまいます。

「え? それじゃ、母親代わりの叔母さんが住む家も国に持って行かれちゃうの?」
そうです。母親代わりの叔母は「特別縁故者」として居住する家を叔母名義に変更できる可能性が残されていますが、そのためには家庭裁判所における法律で定められた手続きを踏まなければなりません。また、裁判所所定の手続きをしたとしてもA子さんの財産全てを叔母さんのものにできるかどうかは確実ではありません(できなければ国のものです。)

では、A子さんはどうすればよいのでしょうか?

やはり簡単で確実なのは遺言です。ただし、ここで注意すべきは、必ず「公正証書遺言」をすることです。自筆証書や他の方式による遺言は要式違反等で遺言が無効となってしまう可能性があるからです。無効になってしまうと何の意味もなくなってしまいます。必ず公正証書にしましょう。

他の方法としては、婚姻や養子縁組をすることで法定相続人を創出することができます。ただ、この問題を解決するためだけの対策としては現実的ではありません(捉え方によれば大変失礼な言い方ですが…)。また、仮に婚約相手がいて近日中にご結婚されたとしても叔母さんの問題は残りますし、年長者を養子とする養子縁組は法律上することができません。

また、財産を遺したい相手を死亡保険金受取人として生命保険に入ることも一つの方法です。A子さんの例で言えば、叔母さんを受取人とする2000万円の生命保険に入ると、叔母さんが死亡保険金として受取る2000万円はA子さんの相続財産ではなく叔母さん固有の財産となるので、相続人でなくても当然に受け取ることができるからです。ただし、相続税の計算上は相続財産として計算されますので注意が必要です。いずれにしても、一定の財産を遺したい相手に遺すことができる方法の一つです。

特に独身の方、配偶者に先立たれてお子さんのない方は「ご自身の法定相続人は誰なのか」を今一度再確認してみてはいかがでしょうか?意外と思い違いをしてませんか?

また、本来相続人となるべき方が既に死亡している場合についても、死亡した方の代わりにその子が相続人となるいわゆる「代襲相続」の範囲について思い違いをされているケースがよく見られます。

「こんな場合ってどうなるの?」

とお困りの方は是非お気軽にお問い合わせください。